〜プロが伝授〜 DTPのコツ
12/9/2000
話題提供者 山本 薫さん(グラフィックデザイナー)


「DTP」という言葉を皆さんは知っていますか?という問いかけから、今回のプラザサロンは始まりました。話題提供者の山本さんは、「グラフィック・デザイナー」というより「職人」です。パソコンの始まりから、印刷との関わりのことまで幅広く話されました。







話題は、写植の話から始まりました。写真植字というのですが、キーボードで文字を打って、昔は出版物として使われる文字は、写植を使っていたということです。

文字盤の中には2000文字くらい並んだ大きいものがあり、どこに何と言う文字があるかを覚えるのに1年くらいかかり、それをある程度こなせるようになるには何年もかかります。山本さんが職人だと言ったのは、こういうわけです。印刷物は写植という「職人技」に頼って作られていました。


文字盤

原版をみている参加者


パソコンで、可能性が広がってきました。皆様がDTPをされるときに、コンピュータを使ってできる作業が、知識を向上させることによって、最終的にはトッププロが作るものにつながっているのだという認識を持っていただければ、いろいろされることも楽しみながらチャレンジできるのではないかと思います。

DTPに必要な印刷にも使えるプリンターは、黒か白でしか表現しないレーザープリンターのようなものです。コピーのようにトナーを使うプリンターが出てきた時点で、印刷物に使える点での出力が可能になりました。今、皆さんお持ちのプリンターは、インクジェットが多いと思いますが、インクジェットのプリンターは、プリンターではきれいですが、それが限度です。




印刷に回す場合とパソコンでプリントアウトする場合の線引きはどこにあるか、聞いてみました。
パソコンで200枚、300枚作るのはコスト的に不可能。版下として印刷機に回せば多量に印刷できる。コストは、1枚版下を作るのに50000円だとします。50000枚作るとすると、50000円プラス紙代、インク代、手間賃です。カラー物で一番かかるのは、1枚作るまでの工程なんです。また、印刷所へデータとして持ち込む場合は、アプリケーションソフトに注意ししましょう。ワードで制作したものは、受け付けてもらえません。tiffファイルかEPSデータでお願いしましょう。

この後、ボランティアが制作したポスターをもとに山本さんに批評していただきました。余白の処理のついては、特にプリンターの印刷範囲を良く知り白を基調にして作ると良いということでした。また、印刷するプリンターの癖を良く知り、モニターと印刷した時の色調の違いなどを自分で研究してください。モニターはRGB、プリンターはCMYKであらわされているので注意が必要です。

パソコンで作る場合は写真を取り込んだりと、さまざまに活用できるのでおおいに楽しみましょう。ただ、ポスターは文章が大事です。文章や文字は良く吟味して、分量やバランスなどにも気をつけるとすばらしい作品が出来上がります。皆様もチャレンジしてはいかがでしょう。


アンケートはこちらです。

当日の講演録→ (32.9KB)